医療現場の最前線で働く【診療放射線技師】からの報告~コロナ対策ニーズソン 4~
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医療現場の最前線で働く【診療放射線技師】からの報告~コロナ対策ニーズソン 4~

私は病院で放射線技師をしています。○次救急に対応しており、病院規模は数百床、感染病床がそれなりにあります。コロナ陽性患者さんを当初から受け入れを始めていました。

今だいたい50人くらいの感染者を受け入れていますが、院内での感染が起きていないのが不思議と思え、分析してお伝えしてゆくべきかもしれません。

当院のPPEの状況

感染患者さんを真っ先に受け入れることになったので、こういう対応をしなさいと病院側から通達されたものです。コロナの強度によって対応が変わってきます。
しかし、どうしても医療資材が足りなくなってきていて、最低限の資材で対応するためにグレード分けをしています。○次救急で救急外来もあるのですが、救急外来では、担当別に防護具も決められています。

PPEにも、いくつかの種類があります。左側は「環境感染学会」のガイドラインからのものですが、WHOとかが出しているコロナに対する防護服の標準の形です。右側が当院での防護服です。

当初は最初、先ほどのグレードすべてでこのつなぎを着ましたが、足りなくなってきたので、一番強いグレードはこのスタイル、グレードが落ちると左の格好になります。しかし左側のPPEは、首が防護されていません。当院の感染対策委員はここを非常に気にしています。ここからの感染が実は多いはずだと考えています。

当院の感染対策室は、未知のウイルスに関してはWHOが何といおうと最大取れる防御をする、様子をみながらウイルスの実態が分かってきてから少し下げていく、というスタイルでした。状況に応じて、グレードや役割を決めています。
その効果が院内感染0人という結果を出していると思います。
他の病院でも、可能なら右の格好になるでしょう。飛沫感染があるとき、左の格好では脱いだときに自分の首に触ってしまうなどのリスクがあります。そこが考えられていないのではないかと、当院の感染対策室では考えています。

当院での環境づくり

当院では基本的に、コロナ患者さんは陰圧室に収容なのですが、一般病棟や検査室に移動するときはHEPAフィルターを多用し、これで空気を循環させています。
1時間あたり数回の換気ができていて、HEPAフィルターを稼働すれば陰圧室と同等の効果があるといわれているため、コロナ疑いの人、陽性の人には必ずこれを使っています。

私は放射線技師なので、基本的には検査が必要な患者さんの病棟まで行き、なるべく患者さんを移動させないようにしています。

また、一部ですが「感染外来」を始めていて、病院の外で患者さんを診ています。最近は病院の外にテント貼っているところも出てきましたが、当院は軒先で対応しています。
例えば、PCR検査ボックスの横で待ってていただき、レントゲン検査もそこでします。外なので換気もされていますし、病院にそもそも患者さんを入れない、という意味もあります。
しかし、CTを撮影するとき、専門の病棟以外で患者さんに何かをするときは、空気の循環としてHEPAフィルターを使います。さらに装置などに飛沫が飛ばないようにするために、養生をしっかりします。患者さんごとに交換して、消毒もしています。また、CT撮影の場合は患者さんの移動を伴うため、極力検査を減らしています。

実際の患者さんの移動は、陰圧にできる車いすを多用しています。

専門病床の中にいるうちは良いのですが、そこから患者さんが検査室など外へ出るときに多用するのですが、台数が少なく、患者さんが数十人規模で来るときには車いす待ちでスムーズに医療行為が行えない、ということもあります。


スタッフの感染については、休憩室での座り方も変えています。時間差を付けたり、向かい合わせにならないように気を付けています。症状が少しでもあれば、すぐにPCR検査をします。結果が出るまで自宅待機です。今のところ院内感染は無いのですが、自宅待機する医師もいたりして、スタッフの不足も問題になっています。

 

病院全体が「受け入れ」に対応できた理由

それから、これは当院の特徴かもしれませんが、病院自体が感染指定病院でしたし、感染対策室もしっかりあって、普段からも感染に対する研修も行われていました。そのためか、感染対策室への信頼が強く、今度のコロナに対しても、感染対策室が的確な指示を出してくれたので、スタッフはそれに従って行動するだけでした。あとは当初から受け入れる方向で病院が動いたので、ある程度準備した上で受け入れできたのかもしれません。

Profile
イラスト:大道レイチェル(だいどう れいちぇる)

滋賀県出身。立命館大学文学部卒業後、専門学校でデザインとイラストを学ぶ。現在、滋賀県の印刷会社でグラフィックデザイナーとして入職し、個人でもイラストレーター・漫画家として活動中。また、NPOまもるをまもるの理事として、イラストや広報物の作成、グラフィックレコーディングを行なっている。趣味は英語の勉強とスターウォーズと、さんぽ。

【漫画】リアルな医療現場と、そこにあるバイアスモンスターと戦う作品『ソヴァージュ・モンスター』(原作:大浦イッセイ)の作画を担当しました。以下で読めます!

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文章

岡部美由紀 (おかべ みゆき)

埼玉県出身。看護専門学校後、大宮赤十字病院(現 さいたま赤十字病院)に入職し、中央手術室に勤務。その後クリニック勤務を経て、なぜかIT技術者へ転身する。出産を機にIT業界に別れを告げ、看護師へ復職(ここでも手術室勤務…)。看護師10年、IT10年を経験し、自分には「何かをつくる」方が向いていると思い立ちライターへ転身、女性ばかりのライティング事業を立ち上げる。2015年から医工連携コーディネーターも兼務。
趣味は、ハンドクラフトとジグソーパズル。再び家族でキャンプに行ける日を待ちわびながら、犬&リクガメ&メダカの世話に追われる2児の母。